2011年12月14日水曜日

クリスマスカード280枚 納品!!

マルルイスラムの若者達と、アフリカ布のはぎれを使ったリサイクルカードやノートを作るプロジェクトを始め、早5ヶ月。

ムワンギとベンソンが主に頑張ってます。グループの代表ソースピーターは、営業や材料の仕入れなど全面的にバックアップしてくれてます。布端切れはテーラーさんから貰います。


ハサミやカッターの使い方にもかなり慣れ、商品のレベルも上がって来ました!

最初に作り始めたバースデーカード
YAYAセンターのお店や近所の高級ホテルなどに営業に行き、なんと2つのお店に置いてもらえることに♪

ちょっとずつ、販路を開拓し、なんとか商品がちょっとずつ売れるようになってきた。
だけど、やっぱり彼らが働いた分の売上を確保するのは難しく、彼らはほぼボランティア状態。工事現場の日雇いバイト(1日300ksh=300円)が見つけられる日はそっちへ行きながら、細々と頑張っていました。 


色とりどりのクリスマスカードは圧巻!!
そんな矢先、なんとJICAの職員さんがこのカードを見て下さって、各省庁へ出すクリスマスカードに、これを採用してもらえることになりました☆280枚の大量オーダー。期限は5日間。
そんなにたくさんのオーダーに答えられるか心配だったけど、泊まり込みで頑張ったらしく、ちゃんと期日までに280枚、仕上がりました!!本当によく頑張った(*^_^*)

納品前日、クオリティのチェック。
電話でかなり言ったので、細かい所まで気を付けてくれていて、ほとんどのカードが合格でした☆


カードの裏側には、カードの説明とグループ紹介のカードを貼り付けました。

このカードなどの商品の売り上げ50%は、スラムの図書館とラーニングセンタ―の建設費用へ、25%はビジネス継続のための貯金、そして25%は若者の収入になります。
このパーセンテージ、私はノータッチで彼らが決めたんだけど、半分を図書館に回すというのは正直すごいと思う。



端切れなので、一枚一枚色も模様も違う
世界に一枚のクリスマスカード。
今年のJICA KENYAの顔として、各省庁のオフィスへ届くと思うと楽しみです。




2011年12月4日日曜日

壁画完成までのアツい3日間+α

スワヒリ語訳:「木を植えよう!! 私達の森を使い果たしてしまう前に。」
 壁画を描くにあたって、一番重要なのは、もちろん

「何を描くか」


最初は、天国地獄絵図みたいな感じで、森林破壊と森林保全の絵を並べた啓蒙壁画のようなものをイメージしていた。

壁画プロジェクト前日に、参加してくれるメンバー達がナロクに来てくれて、夜になると私の家で会議が始まった。試行錯誤、長い議論の末、「木を植える」ということを表現することに決まった。

ここ、ナロク周辺では、一本の木を植えて育てるということが本当に難しい。水やりも大変。「だいたい、今植えたって、いつになったら木が育つんだ!そんなに待てないよ!」という声が聞こえる 

ーでも、そう言って森の木を使い続けていると、いつかは森の木がぜんぶなくなってしまう。そうなる前に、今、木を植え始めよう。

そんな想いを絵に込めたい。




「伝えたいメッセージは何なのか」を明確にし、そして絞り込んでいく作業は、絶対に私一人では出来なかったと思う。夜遅くまで付き合ってくれた(そして、私が寝てしまった後も下絵を完成させてくれた)ダブルMちゃんに感謝感激です。


一番初めはこんなでした~
さて、子ども達がいない日曜日に小学校にやってきた私達は、さっそく下準備を始めることになった。


「どこに描くか」
   
どの壁に描くかも重要。またまた、話し合いの結果、予定していた壁ではなく、道から見える小さめの壁にすることに。結果的には、学校から入って来たら必ず目に入る場所なのですごく目立つので、良い壁を選んだと思う。

壁に白いアンダーコートを塗っていく。日曜なのに、どこからともなく子ども達や住民達が集まり、人の輪ができた。思ったより表面がデコボコで、綺麗に塗るのは結構大変!!わざわざ半日だけなのに、参加してくれたKくんがいてくれて本当に助かった。

午後からは、直射日光が当たってさらに体力が奪われていく・・・なんとしても今日中に下書きまで終わらせてしまいたい。
という想いとは裏腹に、下絵と壁の比率が違ったため、下書きをするための補助線を引く作業にかなり悪戦苦闘してしまった。(私が最初にちゃんと壁の大きさなどをチェックしてなかったので・・・すみませんm(__)m)しかも、チョークで描いても全然見えない・・・ガ―ン。。。

暑さも限界だったので、時間が迫ってたけど、遅いお昼休憩を取ることに。村一番のレストラン「チャムチャム」で冷たいソーダを飲むと少し落ち着いた。休憩って大事やね~。
西日に負けず、1日目はこんな感じで終了

その後、夕方になって涼しくなったのもあり、我らが救急隊員Mちゃんがテキパキと指示をし、しかもチョークに代わる救世主「チャコル」を思いついてくれたので、 アーティストMによる下書きがぐんっと進んだ。夕暮れまでに、なんとか黒ペンキで縁取る所まで完成!!



2日目の月曜日、朝学校へ行くと、それはそれは子ども達は大喜び!絵の前で私達を待ちかまえていた。当初、全校生徒に参加してもらうのは無理だから7年生だけにしようと考えていた。でも、頑張ってここにいる全員に参加してもらおう!ということになった。集会を開いてそのことを伝えると子ども達の顔が輝いた。特に、今まで私がやってきた活動には、入れてあげることができていなかった1年生やナーサリークラス(幼稚園の年齢)の子ども達は、「僕達もできるの!?」と何度も聞いてきた。



学年ごとにスペースを決めて、一人一塗りずつ背景を塗っていく。完璧なスワヒリ語を操るMちゃんと養護のUちゅみのペアのお陰で、子ども達は上手に列にならび、思ったよりも混乱なく全員が塗り終わることができた。


2日目最後の最後に私達を悩ませたのは、人物の肌の色。
思ったよりも背景の青や土の茶色の色、木の幹の色などが濃い色のため、人物の肌の色も茶色で塗ってしまうと絵が暗くなってしまう。ということで、綺麗なココア色で塗ったのだけど、すれ違ったママが一言「ケニア人じゃなくてムズング(白人)を描いたのね」とつぶやいた。せっかくケニアの人々を描きたかったのに、白人に見えてしまっては悲しい。どうしよう・・・
2日目はここまでいきました!
文字通り、日が暮れるまで「あーでもない、こうでもない、、」と色々と5人で悩んだが、結局肌の色は変えず、髪の毛などでケニア人らしさを表現することに。

 最終日は、午前中一杯かけて、人物の髪型や表情、メッセージ、ロゴマークや国旗などの細かい仕上げを行った。5人がそれぞれの力を最大限出し合って、これぞ協力隊という感じがした。


日付の下に「Team Sachiko」って入れようとみんなが言ってくれた。最初は私の名前だけを入れるなんて気が引けたけど、「子ども達もサチコという名前を覚えているし、それだけは覚えてて欲しい」と言ってくれて、素直に嬉しかったので、書きこませてもらうことにした。

みんながナイロビに帰った次の日は、学校の終業式だった。
子ども達と、先生、保護者達で絵を囲んでメッセージを伝えた。校長先生が、私達の活動の意義について熱く語ってくれた。子どもの一人は、「自分達で描いた絵だから、絶対に大人になっても覚えてる。誇りに思う。」と言ってくれた。やってよかったなぁと思った。



*****

ペンキは何色買っていくらかかるのか。
アンダーコートというものを塗らなきゃいけないらしい。
そもそも、塗るのに何日かかるの!?


わからない事だらけで、勢いだけでやり始めてしまった「壁画プロジェクト」。分科会のメンバーの協力なくしては、本当に実現しない企画だったなぁと改めて思う。

オロルルンガ村まで来てくれたみんな~!ありがとう~!
そして、第2弾がケニアのどこかで続きますように・・・❤

盗まれないポスター・・・「壁画」だ!

ケニアの公立小学校で環境教育をやり始めて気づいたことは、「小学校に掲示物を貼る所がない!」ということ。

ほとんどの小学校には玄関や廊下が無い。外の壁にポスターを貼れば雨と風にやられて1週間ももたないだろう。そこで、政府などから配られたポスター達は、こぞって狭い職員室に貼られることになり、何が何だか分からない状況になっている。しかも、子ども達の目には留まることがない。

私がモデルスクールにしているオロルルンガ小学校には、かろうじて外に設置された掲示板があるが、ある時そこに私がカラ―で作ったポスターを貼ろうとしたら、先生達が「ココはダメ」と言う。

「こんな所にこんな綺麗なポスター貼ったら、盗まれちゃうよ。」

先生達によると、夕方に近所の子ども達が目ざとく持って行くという。うーん、そう言われてしまうと、環境教育のポスターや掲示物を作った所で、子ども達の目に入らない棚の奥底にしまわれてしまうのがオチだ。

盗まれずに、子ども達の目にいつも留まるもの・・・
「壁画だ!」
と思った。

友達Marcyの子どもが通う幼稚園の壁
ケニアの建物の壁というのは、日本とちょっと違う価値がある。
看板や宣伝として使われるのだ。
コカコーラやネスカフェ、サファリコム、洗剤やセメント、コンドームまで色んな会社のロゴや商品が建物の壁全体に描かれる。
「赤いコカコーラの建物だから、コーラが売ってるんかな?」と思ったら、お店は美容院だったり、驚くことに民家だったりもする。

お肌のことを毎日考えてしまいそう
街かどで選挙のことを絵にした啓発壁画を見つけた。小学校の壁にも、地図や生物の図、算数の公式などが描かれ、教科書代わりに使われている。



壁画なら、盗まれないし、インパクトも大きいし、子ども達ばかりかコミュニティの人達にも見てもらえるし、雨風で簡単に風化しない。

タクシーの中から必死に撮った壁画
そんなことを考えていた時、協力隊でやっている環境教育分科会の当時会長から「分科会のメンバーでやったら?」と声をかけてもらった。分科会内のアーティストMちゃんからも、是非やろうと言ってもらって、さらに調整員の方からも応援してもらって、今回「環境教育壁画プロジェクト ~お絵描きキャラバン」お試し隊を結成して、壁画作成の実現することになった。

さて、どんな壁画になったのか・・・
次の記事で紹介します~♪

(字を大きくしてみました。こっちのほうが読みやすい?)

2011年12月3日土曜日

シマウマと走る

Tシャツとゼッケンを付けて準備万端!!
さて、マサイマラ・マラソンはどうなったんだ!?
と色んな人からメールをもらったので、ご報告。
走りましたよ~。ちゃんと!

私の任地ナロクから近いこと、森林保全を掲げたイベントだということ、そして、私の職場の同僚がスタッフをしてること、、、など色々とあって、ノリで参加することになったマラソン大会。

会場が思ったより奥地のサバンナで、
手配していたマタツが遅刻したあげく途中で迷っちゃって
無事に辿り着くかすら危うく、ドキドキしたけど、
なんとか間に合ったぜ~!!ホッ(^。^)

元マラソン選手のスティーブン(同僚)



っていうか、さすがケニアのイベント。全然時間通りに始まる様子も無く。サバンナと一緒に記念撮影♪

5Kmのファンランと21Kmのハーフマラソン。もちろん私は5Km。 このマラソン嫌いの私が走ること自体、奇跡!

あ、スティーブン発見。職場の同僚で、元マラソン選手の彼は、現在はコーチをしながら、私の職場のようなお役所のスポーツインストラクターなどをしている。この前のサッカー大会の時は本当にお世話になった。
スティーブンが一生懸命、スタート地点に押し寄せるランナー達を押し戻していた。

その次の瞬間。「そこ、スタートラインじゃないよ!」と他のスタッフから声がかかり、「え~・・・」っていう声と共に人々が散って行った(笑)このグダグダ感。ケニアだ~


スタート前の余裕の笑顔

だだっぴろい草原にスタートとゴールが一緒になったゲートが一つポツンと立ってるけど、それ以外は、コースが一体どこなのかも分からない。横を見ればシマウマとガゼルが草を食みながら、赤いTシャツを着て走る人間達を見ている。確かに世にも珍しいマラソンだ。

たった5kmのくせに「私はなんでわざわざ疲れるために走ってるのか・・・」と早くも走りだして数分で後悔。初めはちょっと走っては歩いて、また走っては歩いてを繰り返してた。協力隊仲間はみんな遠くに行ってしまったし、歩いてる時は、シマウマを見たりして、それはそれで楽しいからいっか~なんて思ってた。

半分くらいまでやってきて、さっきから、ずっと同じお婆ちゃんの姿を見てることに気づいた。めっちゃめちゃゆっくりだけど、絶対に歩かずに走り続けるお婆ちゃん。私が走ると追い越してしまうが、歩いている時に抜かされる。

どこまでも続く青空の下、草原を走る
「せっかく走りに来たんだから、嫌がってないでこの状況を楽しもう!」お婆ちゃんを見ててそんな風に思ったので、それからは私もスピードをめちゃめちゃ落として、でも絶対に止まらないように心がけた。サバンナを吹き抜ける風が気もち良い!シマウマが2頭、じゃれて走りまわってるのが見えた。楽しくなってきた。

そんなこんなで、私が思っていたよりは結構早くゲートが来た。最後ダッシュしようかと思ったけど、敢えてそのままのスピードを保ってゴール!しんどかったけど、なんだか大切なことを学べた気がした。

21K(ハーフ)を走った人は、本当に尊敬する。
しかも噂によると、ウォーターポイントで水が貰えなかったり、川を渡らなきゃ走れなかったり、かなりサバイバルなハーフマラソンだったらしい・・・(@_@;)


いくつものマサイ族のチームが本格的なダンスを披露!

もう二度とマラソン大会に参加することはないと思うけど、でも来て走ってみて良かった~!
ゴールで記念撮影♪