2011年12月4日日曜日

壁画完成までのアツい3日間+α

スワヒリ語訳:「木を植えよう!! 私達の森を使い果たしてしまう前に。」
 壁画を描くにあたって、一番重要なのは、もちろん

「何を描くか」


最初は、天国地獄絵図みたいな感じで、森林破壊と森林保全の絵を並べた啓蒙壁画のようなものをイメージしていた。

壁画プロジェクト前日に、参加してくれるメンバー達がナロクに来てくれて、夜になると私の家で会議が始まった。試行錯誤、長い議論の末、「木を植える」ということを表現することに決まった。

ここ、ナロク周辺では、一本の木を植えて育てるということが本当に難しい。水やりも大変。「だいたい、今植えたって、いつになったら木が育つんだ!そんなに待てないよ!」という声が聞こえる 

ーでも、そう言って森の木を使い続けていると、いつかは森の木がぜんぶなくなってしまう。そうなる前に、今、木を植え始めよう。

そんな想いを絵に込めたい。




「伝えたいメッセージは何なのか」を明確にし、そして絞り込んでいく作業は、絶対に私一人では出来なかったと思う。夜遅くまで付き合ってくれた(そして、私が寝てしまった後も下絵を完成させてくれた)ダブルMちゃんに感謝感激です。


一番初めはこんなでした~
さて、子ども達がいない日曜日に小学校にやってきた私達は、さっそく下準備を始めることになった。


「どこに描くか」
   
どの壁に描くかも重要。またまた、話し合いの結果、予定していた壁ではなく、道から見える小さめの壁にすることに。結果的には、学校から入って来たら必ず目に入る場所なのですごく目立つので、良い壁を選んだと思う。

壁に白いアンダーコートを塗っていく。日曜なのに、どこからともなく子ども達や住民達が集まり、人の輪ができた。思ったより表面がデコボコで、綺麗に塗るのは結構大変!!わざわざ半日だけなのに、参加してくれたKくんがいてくれて本当に助かった。

午後からは、直射日光が当たってさらに体力が奪われていく・・・なんとしても今日中に下書きまで終わらせてしまいたい。
という想いとは裏腹に、下絵と壁の比率が違ったため、下書きをするための補助線を引く作業にかなり悪戦苦闘してしまった。(私が最初にちゃんと壁の大きさなどをチェックしてなかったので・・・すみませんm(__)m)しかも、チョークで描いても全然見えない・・・ガ―ン。。。

暑さも限界だったので、時間が迫ってたけど、遅いお昼休憩を取ることに。村一番のレストラン「チャムチャム」で冷たいソーダを飲むと少し落ち着いた。休憩って大事やね~。
西日に負けず、1日目はこんな感じで終了

その後、夕方になって涼しくなったのもあり、我らが救急隊員Mちゃんがテキパキと指示をし、しかもチョークに代わる救世主「チャコル」を思いついてくれたので、 アーティストMによる下書きがぐんっと進んだ。夕暮れまでに、なんとか黒ペンキで縁取る所まで完成!!



2日目の月曜日、朝学校へ行くと、それはそれは子ども達は大喜び!絵の前で私達を待ちかまえていた。当初、全校生徒に参加してもらうのは無理だから7年生だけにしようと考えていた。でも、頑張ってここにいる全員に参加してもらおう!ということになった。集会を開いてそのことを伝えると子ども達の顔が輝いた。特に、今まで私がやってきた活動には、入れてあげることができていなかった1年生やナーサリークラス(幼稚園の年齢)の子ども達は、「僕達もできるの!?」と何度も聞いてきた。



学年ごとにスペースを決めて、一人一塗りずつ背景を塗っていく。完璧なスワヒリ語を操るMちゃんと養護のUちゅみのペアのお陰で、子ども達は上手に列にならび、思ったよりも混乱なく全員が塗り終わることができた。


2日目最後の最後に私達を悩ませたのは、人物の肌の色。
思ったよりも背景の青や土の茶色の色、木の幹の色などが濃い色のため、人物の肌の色も茶色で塗ってしまうと絵が暗くなってしまう。ということで、綺麗なココア色で塗ったのだけど、すれ違ったママが一言「ケニア人じゃなくてムズング(白人)を描いたのね」とつぶやいた。せっかくケニアの人々を描きたかったのに、白人に見えてしまっては悲しい。どうしよう・・・
2日目はここまでいきました!
文字通り、日が暮れるまで「あーでもない、こうでもない、、」と色々と5人で悩んだが、結局肌の色は変えず、髪の毛などでケニア人らしさを表現することに。

 最終日は、午前中一杯かけて、人物の髪型や表情、メッセージ、ロゴマークや国旗などの細かい仕上げを行った。5人がそれぞれの力を最大限出し合って、これぞ協力隊という感じがした。


日付の下に「Team Sachiko」って入れようとみんなが言ってくれた。最初は私の名前だけを入れるなんて気が引けたけど、「子ども達もサチコという名前を覚えているし、それだけは覚えてて欲しい」と言ってくれて、素直に嬉しかったので、書きこませてもらうことにした。

みんながナイロビに帰った次の日は、学校の終業式だった。
子ども達と、先生、保護者達で絵を囲んでメッセージを伝えた。校長先生が、私達の活動の意義について熱く語ってくれた。子どもの一人は、「自分達で描いた絵だから、絶対に大人になっても覚えてる。誇りに思う。」と言ってくれた。やってよかったなぁと思った。



*****

ペンキは何色買っていくらかかるのか。
アンダーコートというものを塗らなきゃいけないらしい。
そもそも、塗るのに何日かかるの!?


わからない事だらけで、勢いだけでやり始めてしまった「壁画プロジェクト」。分科会のメンバーの協力なくしては、本当に実現しない企画だったなぁと改めて思う。

オロルルンガ村まで来てくれたみんな~!ありがとう~!
そして、第2弾がケニアのどこかで続きますように・・・❤

2 件のコメント:

  1. 素敵なプロジェクト、ばっちりなリーダーシップ、それからとってもいい写真!やっぱり幸子はすごいやー。

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  2. そんな褒められると照れちゃう♪
    いや~でも、美部の血が騒いだ3日間でしたね。
    こんなに大きなキャンパスに絵を仕上げるの、初めてだったから、とにかく楽しかった!!

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